PANEL50 令和2年4月発行

平素は公益社団法人兵庫県建築士会神戸支部の活動に対しご支援・ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

元号が令和に変わり早くも1年が経とうとしています。
令和元年6月に建築基準法改正がなされました。1、密集市街地の整備改善に向けた規制の合理化。2、既存建築物の維持保全による安全性確保に関わる見直し。3、戸建て住宅等を他用途に転用する場合の規制の合理化。4、建築物の用途転用の円滑化に資する制度の創設。5、木材利用の推進に向けた規制の合理化。6、用途制限に係る特例許可手続きの簡素化。7、その他所要の改正。改正内容をみると規制緩和による制度の合理化と建築ストックの活用と思われます。又、2030年に向けて世界が合意した目標(SDGs)も社会環境を考えることの必要性の一つだと考えます。私たち建築士も自然環境、社会環境を今まで以上に考えていかなければならないと再認識致しました。

今年は中国から始まり日本にも影響を与えることとなり、今やヨーロッパ、アメリカなど世界中に拡散している新型コロナウイルス感染症に驚いています。日本では学校が休校になり卒業式も教師、卒業生と親のみの出席で、規模を縮小し、いくつかの条件を満たせば開催できる状況です。又、年度が新しくなる節目で、入学式、入社式等も同様です。又、日常生活においても、多くの人が集まる集会、コンサート、演劇の延期や中止、遊園地やテーマパークの一定期間の閉園がなされています。政府からの要請により主催者の判断によるところとなり苦渋の判断をしなければならず責任重大だと感じます。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため各生産工場も時間制限で稼働するか、一定期間閉鎖するといった対応で生活に必要な品物の供給もできない状況です。日常生活でマスク着用、手洗いの励行をいわれていますが、マスク、消毒用のアルコールの不足により普通に購入することができずに感染防止に対応できない状況も発生しています。
建設業界もその余波を受けています。例えば、衛生設備機器の洗浄便座、空調機器等は生産工場が閉鎖され供給が滞り、設置することができずに竣工できない現場もあるようです。又、仮に竣工できたとしても設備機器の代替品を設置し、指定機器が供給されるようになった時点で取換えを行うような対応に迫られる現場もあるようです。

さらに今年は4年に一度の「東京オリンピック・パラリンピック」の開催を迎え、そして、世界各国からトップアスリートたちが集結し、熱狂と感動の日々を味わう予定でした。我々建設業界も開催国の一員として大会の成功に貢献してきました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、残念なことに約1年の延期となりました。アスリートたちも開催日に合わせコンディションを調整してきたところです。それが、開催日程が未定で約1年延期になったことで落胆した選手も多くいることがうかがわれます。同様にオリンピック関連施設建設工事に携わった人々もオリンピック開催に合わせ、建設工期に竣工させるために多くの人々が、努力し、不休不眠で頑張ってきたことと思います。非常に残念なこととなりました。しかし、建設した施設は開催されるまで十分に維持され、活用されてオリンピックが無事に開催されることを願って見守っていこうではありませんか。「人間は、苦しめられ打ち負かされるとき、何かを学ぶチャンスを得る。才覚を発揮すること。勇気をもつこと。事実をつかむこと。無知を知ること。節度や、生きるための本当の技術を獲得することなどを」(ラルフ・ウォルド・エマーソン)。アスリートの皆様、建築士の皆様、前へ向かって進みましょう。

最後になりますが、公益社団法人兵庫県建築士会神戸支部では、会員の皆様に対し講習会、見学会、セミナー、耐震相談等の事業活動を展開することで、多くの情報を得ていただき、技術の向上、知識の習得の一助として役立てていただきたいと考えています。又、一般の方々にも建築士の存在を知っていただき、建築士としての技術、知識を提供することで建築士の地位向上と建築士会が市民に認められた団体で社会的地位を確保できることを願っています。それには会員皆様の建築士会へのご参加とご理解、ご協力をお願い申し上げます。

さらに、会員皆様方のご多幸とご健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。
以上

令和2年4月25日 戎 孝之 支部長 挨拶より

TOPICS

PAGE TOP