「出来ました!私たちのマンション耐震改修」セミナー報告


 阪神淡路大震災以降、神戸市内で毎年行われている耐震キャンペーンの一事業として一般市民の方々(主にマンションの管理組合)を対象に去る11/13(土)神戸市長田区の高取台中学校で行いました。震災以降市民の方々の地震に対する防災意識も格段に高まっていますが旧耐震基準で建設された共同住宅などは、住民間の合意形成などの困難な作業がネックとなって耐震改修が実現していないのが現状です。その中で神戸市内で唯一耐震改修を実現された高取台サンハイツ管理組合法人のご協力のもと、今回のセミナーの開催にこぎつけられたことは熱心な管理組合の方々のご協力があればこそと心より感謝の気持ちでいっぱいです。
平成12年より足かけ約10年の長期にわたり耐震改修工事完了に至るまでの経緯をお聞きすると、並々ならぬ管理組合の努力と熱意がうかがえます。具体的な作業、交渉調整等は書き留めればきりがないほどですが、その多数の賛否両論の事柄をまとめていく中で共通して感じたことはやはり日常の各住民間のコミュニケーションがスムーズに図られていることが今回の耐震改修実現のキーポイントであると感じました。共同住宅は多数の住民が一の建物の中に生活を営んでいるわけですが、日常では共同で住んでいる意識は感じられないのが通常で各々が独立した生活スタイルを送っています。しかし建物の維持管理などは共同の意識で物事に対処していかなければならず、ある意味自己の生活時間、スタイルを犠牲にして対処することも必要になってきます。その場合に普段からのコミュニケーションが図られている共同住宅とそうでない共同住宅とでは事の進行状況、また合意形成過程に大きく影響を及ぼすであろうと思われます。これから耐震改修をお考えの管理組合の方々にはこれらのことが大変参考になったのではないでしょうか?また耐震改修の設計、及び施工状況のスライドを通して映写したことで耐震改修の企画立案から完成までのおおよその流れも把握出来たと思いますのでこれから企画進行していくイメージ作りの参考となったのではないかと思われます。今回のセミナー内容を参考に一例でも耐震改修物件が増え、安全な街並みが形成されていくことを期待しております。

                                 研修委員会委員長 常峰 博文





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